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エッセイ

初出版に思う事

映画「3丁目の夕日」の昭和30年代はまさに私が生まれた時代だ。今のようにゲームもなく、子供のときは本を読むのが何よりも楽しみだった。小学生の高学年になり、運動音痴だと自覚する様になって、さらに図書館に入り浸るようになった。一冊の本があると見知らぬ国や文化に触れたり、あるいは物語の中へ一気にワープする快感がたまらなかった。

 

「本好きの虫」は中学生になって重傷になり、そのせいかクラスで初めてコンタクトレンズを入れた人になってしまった。超ド近眼というやつだ。夜遅くまで読んでいたので、母から「いいかげんにして、寝なさいよ」などと言われるものだから、布団を被ってこっそり読んだりしていたツケがきたのか?

その頃には漠然と「いつか私も本を書きたい!」と思い始めていた。

 

あれから約40年を経て初出版を果たし、ついに夢を実現する事が出来た。

 

出版のチャンスの始まりは、今から8年前の2004年に遡る。ある会合の1周年記念で明日香出版社の石野社長(現在相談役)が「本を出版したい人向け」の講演をされるというお誘いを頂いた。「これはまさに私の為の講演ではないか」と喜び勇んで出かけて行き、演台の最前列のかぶりつきの席で聞き入った。

初めて聞く版元の社長の話は説得力があり、一言も漏らすまいと必死になってメモを取った。今でもそのメモは大切に保存している。

 

その講演をご縁に、明日香出版社の著者などの情報交換をする「わいがや会」にお誘い頂き、毎回出席しては、既に本を出された方の貴重な経験談を伺って、参考にさせていただいた。

企画書も何度か書いてはボツになってはいたが、しぶとく諦めなかった。今年6月末に石野相談役に「iPadを使った旅はとても便利で愉しかったのですが、本になりませんか?」とお尋ねしたところ、「それは、なかなか面白い企画ですね」と言ってくださり、出版にこぎ着けることができた。

 

石野相談役のおかげで、私の長年の夢が叶える事が出来たのだ。本当に心から感謝している。

人のご縁とは不思議なものだ。自分ひとりの力では無力だが、人との繋がりによって可能性が広がって行くのだとつくづく感じる。初出版を機に、改めて日々ご縁に感謝し過ごしていこうと思った。

(2012.11.15)

 

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